今週月曜の夜と火曜の昼間にはNHKさんから、本日はTBSさんからそれぞれ何度も電話をいただいて取材を受け、NHKさんは昨日夜~朝、TBSさんでは本日夕方にニュース番組で放映いただいたもよう。私自身は四日市からの帰阪途中で録画している時間が無く、東京の友人から連絡があった。明日もあるのかな?ユーチューブでは一部流れているようです。
今回の事についてはあちこちで憶測、ご意見が飛び交い、さまざまなことを考えさせられた。厳しい見方をした場合、本件は刑事罰の対象となるのか?とふと思った。不正入試事件では偽計業務妨害として容疑者が逮捕されているので、同等の事件として学生将棋連盟が警察に被害届を出せば受理されて違反者は逮捕されるのか?
法律に詳しい友人に聞いてみると確かにその要件に該当する可能性はあるが、警察が動く可能性は低いのではないかとのこと。まあたしかにスポーツでドーピング違反があっても逮捕されるわけではないし、将棋連盟の対局では警察が関与することになってしまう。
とはいっても将棋大会に出る人が今後すべて疑われることになるわけで、特に若い人はそういう目で見られるだろうから大迷惑な話。また、将棋だけは八百長が無いという長らくの伝説も崩れて将棋そのものの社会的な信用に影響を与えている。但し、本人にとっては氏名と写真が随所で公表され、既にアマ棋界追放どころか社会的に追放ぐらいの社会的制裁を受けている。
現実的には再発防止のためどうするのか、各大会の対局規定を厳しくすべきなのかという点。学生将棋連盟の規定ではソフト指しについて長文の規定があり、結論となりそうな条項を抜粋すると以下の通り。なんとも厳しく、抑止力がある。
<対局規定(13)ー(7)>
ソフト指しが認定された場合、違反者は当該対局を失格処分となるだけでなく、本連盟が主催する大会への参加資格を永久的に失う。また、違反者の所属大学は本連盟主催大会への参加資格を一年間失う
GWに行われたR選手権では以下のように規定している。まあ、現実的な対応にとどめているのだが、仮にこのような違反が発覚した場合は3.が即時適用されると思われる。なにせ優勝25万円という賞金大会だから、先述の「逮捕」も現実味を帯びてくるのではないか。
1.対局中は保有するすべての携帯機器の電源を切り、机の上に置く、またはかばんに収納し、身に着けることはないようにする。
2.対局中の離席は相手の手番でトイレ利用の場合のみとする。
3.不正行為が判明した場合、本大会および今後のアマレン大会出場停止になることがある。
では一般大会、たとえば正棋会ではどうかというとこれがまたなんと、何も規定していない(苦笑)。親睦を第一の目標とする同好会的な集まりなのであまり厳しい規定は表面には出さず、役員間で話し合って対処しようということで現在に至っている。
果たしてこれで良いのかどうかは正棋会内でまた相談するが、たぶん一般的にも外見上はゆるゆるの規定なのだろうと思う。8月のアマレン総会では一般的な対局規定(アマレンHPで公表しているガイドライン)の見直しを議題にするが、今現在不正行為に関する規定はないのであらたな検討事項であり、かなり時間をかける必要がありそうだ。